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『女子大生会計士の事件簿 DX.1 ベンチャーの王子様』山田真哉

女子大生会計士の事件簿 DX.1 ベンチャーの王子様

女子大生会計士の事件簿
DX.1 ベンチャーの王子様

山田真哉
角川文庫 (2004/10/25)
500円(税込)

 かわいいけれどなかなかキツイ女子大生会計士、萌さんこと藤原萌実と入所一年目の新米会計士補、カッキーこと柿本一麻の愉快なコンビが遭遇する事件の数々。バラエティ豊かな謎も萌のひらめきと、カッキーの地道な努力によって次々に解決されていく。そんな二人のコミカルなやりとりの中にも、事件を解く鍵が隠れている!?

 会計監査ってこんなに面白いのか?そう思わずにはいられないほどに楽しい。会計用語や会計の仕組みを分かりやすく説明するために設定された謎が、どれもみな個性的で愉快なのだ。

 たしかに、小説としての深みはそれほど感じられないかもしれない。しかし、文章も巧いし、構成も抜群。特に伏線の張り方が素晴らしく、短篇のお手本と言っても過言ではない。公認会計士が片手間に書いたなどと切り捨ててしまうことなど出来ないくらいに、魅力あふれる作品だ。

 キャラクターの造形も見事で、そのやりとりを読んでいるだけでも楽しい。萌さんとカッキーの掛け合いはテンポの良い漫才みたいだ。しかも、その掛け合い漫才の中に、しっかりと伏線が埋め込まれているのだからすごい。

 この作品の一番の魅力は、その伏線の妙ではないだろうか。会計用語などを分かりやすく学べるというのも嬉しいが、とてもきれいな伏線を味わえるのもまた嬉しい。小説としての構造も非常に分かりやすく作られているので、あまり小説を読まない人でも、伏線をしっかりと味わえることだろう。

 ビジネス書であり、実用書であり、入門書でも、参考書でも、そして小説でもあるという盛りだくさんの一冊である。それだけに、読む目的も人さまざまだろうが、どんな目的で読んでも損することのない作品であることは間違いない。

At 22:32 | コメント (0) | トラックバック (0) | その他の小説

『嘘猫』浅暮三文

嘘猫

嘘猫

浅暮三文
光文社文庫 (2004/09/20)
500円(税込)

 1998年に『ダブ(エ)ストン街道』で第8回メフィスト賞を受賞し、デビューした著者の自伝的青春小説。デビュー前、大阪から上京し、東京の広告代理店で働き始めたアサグレ青年は、六畳一間の安下宿で一匹の野良猫と出会う。それは、愉快だけど時に切なく、そして不思議な共同生活の始まりだった。

 まず、表紙が良い。北谷しげひさによる猫のイラストが独特の雰囲気を醸しだしている。作品の内容に非常にあったイラストだと思う。

 内容はといえば、まず猫好きにはたまらない。猫を擬人化した表現がとても上手く、猫を飼っている人は大きくうなずくこと請け合いだ。一方で、猫の死も隠すことなく書かれており、綺麗事ばかりのつまらない作品とは一線を画している。一匹の猫が死んだ時の、作者の気持ち、悲しいの一言では言い表せないような気持ちがページから染み出してくるようで、こちらまで切なくなってしまう。しかし、作品全体としては、ユーモラスな雰囲気なので、とても気軽に楽しめる傑作と言えるだろう。

 自伝的小説なので、ほとんどの部分は作者の体験に基づいているのだろうが、本当に?と思ってしまう箇所も間々ある。そして、そのような部分がまた面白い。自伝エッセイではなく自伝的小説たるゆえんだと思う。

 幕の引き方も鮮やかで、読み終えて幸せな気分になるだけでなく、言いようのない哀愁が心に残り、良い本を読んだという充足感を与えてくれる。200ページ程度の短い作品であるが、中身は濃い作品なので、いろんな人に勧たいし、プレゼントとして贈りたい。そんな一冊だった。

At 23:30 | コメント (0) | トラックバック (0) | その他の小説

『蹴りたい田中』田中啓文

蹴りたい田中

蹴りたい田中

田中啓文
ハヤカワ文庫 (2004/06/15)
735円(税込)

 田中啓文の作品は、文芸誌等でいくつか読んだことがあるが、単独著書を読むのは初めてである。今まで読んだ作品は、ミステリ系のものだったので、それらとの作風の違いに驚くと共に、作者の力量を痛感した。

 まず、装丁から内容まで全てに統一された趣向が素晴らしい。「蹴りたい田中」で第130回茶川賞受賞後、突如消息を絶った伝説の作家・田中啓文の才能を偲んで、発行された遺稿集という設定である。山田正紀、菅浩江、恩田陸など豪華な顔ぶれによる寄稿も面白い。最後のページには「田中啓文文学大賞」創設のお知らせまであって、何も知らないで読んだら、すっかり騙されてしまうのではないかと思う。

 肝心の小説も、快作ばかりで笑いが止まらない。一言で言えばダジャレ小説なのだが、そんな一言では片付けられないような力を秘めている。次から次に繰り出される大量のダジャレは、単なる言葉遊びで終わらず(終わるものもあるが)、作品の根幹に深く関わっているのだ。これは、思い付きでできるようなシロモノではない。軽くて読みやすく、笑いに満ちた作風は、相当に緻密な計算の裏に成立しているのだと思われる。

 たしかに、バカバカしいと言われればそれまでであるが、川柳や落語が伝統的な芸術であるように、あるいは、和歌の掛詞や縁語が日本特有の優美な技巧であるように、本作のダジャレも芸術の域に達していると言って良いだろう。

 「ことば」に興味を持っている作家は信頼できる。これは私の個人的な考えであるが、ダジャレでも暗号でも、回文でもアナグラムでも、「ことば」を単なる表現ツールとしてとらえるのではなく、一つの魅力的な素材としてとらえることで、小説は格段に面白くなると思う。

 難を言えば、私のようにSFに親しみのない読者には分からない部分が多い気がする。だが、それだけ、作者のSFに対する愛情が強いということなのだろうし、想定している読者も、SFファンが中心なのだろうから、仕方ないかもしれない。分からない部分があるという悔しさをもとに、SFを読み漁るようになってほしいということか。もちろん、SFが分からなくても基本的には楽しめるので、問題はないが、SFに精通しているほど、楽しさも増すのだろう。

 個々の作品では、どれも捨てがたいが、「地球最大の決戦 終末怪獣エビラビラ登場」と「トリフィドの日」が良かった。前者は、特撮ものへの挑戦とも言える作品で、特撮もの(特に怪獣もの)の理不尽さを軽やかに表現している。後者の魅力は、何と言っても、株式会社ホシ薬品のホシ社長の正体(?)だ。冒頭の紹介を読んだ時の予想は終盤ですっかり裏切られ、ギャグのための伏線であったことを知らされる。この鮮やかさは見事だった。

 それにしても、類を見ないほどのダジャレを詰め込んだ本作と、それを可能にした作者の田中啓文はもっと評価されても良いだろう。今後の田中啓文の活躍を期待したい。

At 19:32 | コメント (422) | トラックバック (0) | その他の小説
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プロフィール
双条 光華
Sojo Koka

芸能界暴露本のおかげで道を誤り、いつのまにか男性アイドルウォッチャーに…。
新しいモノ・珍しいモノ・面白いモノが好き。読書はもっぱらミステリです。
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おことわり
このブログに書かれているのは、ひとつの考え・解釈です。すべてが真実であるかは分かりません。
文中にネタバレを含む際はその旨を表記するようにしています。
ただし、ドラマに関してはことわりなく書いている場合がありますので、視聴後にご覧ください。
なお、記事中では基本的に敬称略としています。
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このブログは、双条光華が過去に運営してきたブログの記事ならびに当時頂いたコメントをすべて継承しています。(現在移行中のため、一部表示が乱れています)
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2007/1~ 散在道中膝栗毛
2005/5~ ブログの輪舞
ちなみに、「偵乱密泡華」というのは昔のHNです。
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